機器の風量や風速の調整・検査に使っている6インチ(φ150mm)の風洞を風速校正の向上を目的に改良しました
もともと手作りで分解式で構成しているので、今回は風量測定のセンサを外し、風速測定に特化した組上げを構成しました
風量測定と風速測定は基本原理は同じ
下の画像は普段風量測定に使用している市販のセンサ。この中には「整流板」といわれる気体の流れを整流化する部分と、直径の7割の部分に複数配置されているのピトー管で構成されている
基本的には管内の平均風速を測定しているのである

これでも値を読み替えれば風速測定には間に合うのですが、羽根式の風速センサと併用して風速だけを測るアダプターを製作して全体をコンパクトにしてみました
セパレート型羽根式風速計がシンプルで使いやすい
熱線式、サーミスタ式、一体型羽根式などいろいろな形状の風速計を試した結果、私的には精度はセパレート型風速計が一番でした。熱線式などセンサー部分体積が小さくてよいのですが、全体精度は羽根式に軍配があがります
というわけで、セパレート式羽根車を配管にセットするアダプタを作る。管内風速を均一化するため整流板も設置
目的は、自社製風速センサの較正です
羽根車は直径70mmほどあるので、センサと重ならない円周状に配置しますが、層流化された管内の風速は放物線特性を持つので、直前に整流板を置いて、特性を台形形状にします
元々6インチ管で層流を作れる管長さは室内版では確保できていませんが(´Д`)

多少センサと風速計が位置がずれても正確な風速が測定できるという原理です
3Dプリンターでパーツを作成
FDMタイプ3Dプリンターで積層すると、積層痕が残りますが、最近のプリンターは造形性能がよく、PLAをつかえば寸法精度も良く積層痕もなめらかです
設計はFreeCADです。最近は複数パーツがあってもpartワークベンチでの設計が多いです









整流板の下に、ステンレス金網を貼る
整流板は幅50mm、その下20mmあけて3㎜目の金網を貼る。そのあたりの構造はJISハンドブック「ポンプ」に詳細にでています
被測定センサの下に羽根式風速計を配置
風洞は上から下への気流なので、センサと風速計の配置は、断面積の小さいセンサが上で50mmほど下に羽根式風速計を配置
風速計はユリアねじではめ込めば中心への位置決めがワンタッチで行えるように、羽根車の支柱にはめ込み用のパーツを両面テープで固定しました

そして完成





風速は値を記録してしまえば、環境温度が同じならインバーター回転数で再現可能
たとえば、室温24℃で10m/sを得るにはインバーター周波数38.10Hzでした。
室温が大きく変わらなければ風速は周波数で簡易的にセットできるので、まとまった数の較正を行う場合、最初の一回だけ風速と周波数を風速計で測定すれば、そのあと風速計を外してもほぼ回転数だけで再現できるので便利です
アネモはFRPで

ちなみに、最上部の吸込み開放部(アネモ)は、15年以上前にFRPで作成したもので、これも手作りでスタイロフォームを形状にCNCでカットして手張りでFRPを積層して結構大変な記憶があります。断面は楕円曲線で、これもJISハンドブックからです。
いまなら3Dプリンターで、複数羽根を同心円に配置も簡単ですねv(^^)/
