PlatformIO版ESP-IDF V6に移行する – ADC

カテゴリー: ESP32

ESP32-S3の開発にはPlatformIO(以降PIO)版ESP-IDFV5.1.1で行っていましたが、V6.1.0まで使えるようになったので今後のことも考えて移行することにします。

PIO版ESP-IDF V6公式版ESP-IDF V5に相当し、公式版ではV4→V5で大幅に変更がありました。migrationの一覧はここ、詳細はここで。バージョンの値が近いのでややこしいです。

以前公式版とPIO版のVersionを混同してPCNTをレガシー表記で使った記事を書きましたが、今回の変更でそれも新表記に修正することになりました。

今回はADCについての覚書。キャリブレーションの効果も簡易的に測定しました。

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ESP32-S3のPCNTをPlatformIO版ESP-IDF V5で使う

カテゴリー: ESP32

2023/1/4 文章修正と内容訂正しました。

2023/4/12 ESP-IDFバージョンについての記述を追加しました。

公式版ESP-IDFのAPIはV4.4からV5へのバージョンアップで大幅に仕様が変わっていました。

PlatformIO版ESP-IDFはV6が公式版V5に相当します。これがややこしく、私も混同していましたので、以下のPCNTについての内容はPlatformIO版V5では公式版V5の記述ができない、という至極当然のことだったわけで、訂正いたします。

PCNTも含まれ、記述や関数名が変わっています。参考はここ

ところが、PlatformIOでESP32-S3をESP-IDF V5.1.1で開発してみると、新しい仕様のPCNTが使えない。無理やり「pulse_cnt.h」「pulse_cnt.c」を組み込んでも当然ながらframeworkにhalのドライバが存在しないのでリンカが通らない。なにより小手先の対策はESP-IDFのバージョンを変えるとフレームワークも一新されるので得策ではありません。

今回はレガシィ記述でPCNTを使うことにしました。その覚書です。

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ESP32-S3:VScode+PlatformIOで生成したバイナリをesptoolで量産書き込み

カテゴリー: ESP32

VScode+PlatformIOで開発したコードは、PlatformIO→UpLoadで書き込めますがBuildも含まれるので複数枚書き込みには適しません。

そこで、VScodeが吐き出したコードを単体のFlashプログラマとして「esptool」で量産書き込みする覚書です。私の環境はESP32-S3ですが、ESP32全般でたぶん使えると思います。

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PlatformIOのESP-IDFのバージョンを指定する方法 

カテゴリー: ESP32

Espressif IDEの公式HELPでは4.4.3ですが、2022/11現在のPlatformIOのESP-IDFの最新バージョンは5.2.0です。

ただ、ESP32-S3での5.2.0では、ブートからうまくいかないのでいろいろなバージョンを試しています。

 

バージョンを細かく設定する方法

最新バージョンはgitから

最新バージョンは、platformIO.iniのplatform項目にgitを直接指定します。

[env]
platform = https://github.com/platformio/platform-espressif32.git

これで最新バージョンが適用されます。適用後のPlatformIOのinstallを見るとV5.2.0+パッチが適用されていました。

常に更新されているようです。

 

過去バージョンは、platformio.iniで直接バージョン指定

過去バージョンが存在するバージョンは

https://github.com/platformio/platform-espressif32/releases

から確認できます。

ここから希望のバージョンをピックアップし、PlatformIOのplatform=espressif32に後に@x.x.xを追加します。

例としてV5.1.1なら

[env]
platform = espressif32@5.1.1

だんだん使いやすくなってるようです

まだまだ、いろいろ試さなければなりませんが、バージョン設定などの操作は徐々にやりやすくなってるみたいです。

ESP32-S3-1-N16R8を試してみる-USBIFでCDCデバイス

カテゴリー: ESP32

ESP32-S3モジュールは相当魅力的ですが、情報量が少ないので、少しづつ自分なりに確認していきます。開発環境はVScode+PlatformIO ESP-IDF版です。
 今回は、ESP32-S3-1-N16R8で、JTAG用のUSBをCDCデバイスとして設定してみた覚書です(windows限定です)。

2022/11/28追加 sdkconfig.xxxの更新方法

ESP-IDFでTinyUSBスタックが提供されている

私の開発環境であるPlatformIOのESP-IDFモードで確認します。Arduinoモードでも同名のライブラリが存在するようです。

sdkconfigでUSB許可しておく

PlatformIOでsdkconfig.esp23s3を編集して2行を”y”に変更しておきます(2行連続しているとは限りません)。

CONFIG_TINYUSB=y
CONFIG_TINYUSB_CDC_ENABLED=y

Espressif-ESP-IDF/USBサンプルをDL

GitHubから「tusb_serial_device」をDLします。簡単なループバックテストです。TeraTermでキー入力のバックを見るために「キーコード+1」を追加しました。

/*
 * SPDX-FileCopyrightText: 2022 Espressif Systems (Shanghai) CO LTD
 *
 * SPDX-License-Identifier: Unlicense OR CC0-1.0
 */

#include <stdint.h>
#include "esp_log.h"
#include "freertos/FreeRTOS.h"
#include "freertos/task.h"
#include "tinyusb.h"
#include "tusb_cdc_acm.h"
#include "sdkconfig.h"

static const char *TAG = "example";
static uint8_t buf[CONFIG_TINYUSB_CDC_RX_BUFSIZE + 1];

void tinyusb_cdc_rx_callback(int itf, cdcacm_event_t *event)
{
    /* initialization */
    size_t rx_size = 0;

    /* read */
    esp_err_t ret = tinyusb_cdcacm_read(itf, buf, CONFIG_TINYUSB_CDC_RX_BUFSIZE, &rx_size);
    if (ret == ESP_OK) {
		buf[0] += 1;   // 追加コード
        tinyusb_cdcacm_write_queue(itf,buf,rx_size);
	    tinyusb_cdcacm_write_flush(itf, 0);
        ESP_LOGI(TAG, "Data from channel %d:", itf);
        ESP_LOG_BUFFER_HEXDUMP(TAG, buf, rx_size, ESP_LOG_INFO);
    } else {
        ESP_LOGE(TAG, "Read error");
    }

    /* write back */
//    tinyusb_cdcacm_write_queue(itf, buf, rx_size);
}

void tinyusb_cdc_line_state_changed_callback(int itf, cdcacm_event_t *event)
{
    int dtr = event->line_state_changed_data.dtr;
    int rts = event->line_state_changed_data.rts;
    ESP_LOGI(TAG, "Line state changed on channel %d: DTR:%d, RTS:%d", itf, dtr, rts);
}

void app_main(void)
{
    ESP_LOGI(TAG, "USB initialization");
    tinyusb_config_t tusb_cfg;
    tusb_cfg.descriptor = NULL;
    tusb_cfg.string_descriptor = NULL;
    tusb_cfg.external_phy = false;
    ESP_ERROR_CHECK(tinyusb_driver_install(&tusb_cfg));
    tinyusb_config_cdcacm_t acm_cfg;
    acm_cfg.usb_dev = TINYUSB_USBDEV_0;
    acm_cfg.cdc_port = TINYUSB_CDC_ACM_0;
    acm_cfg.rx_unread_buf_sz = 64;
    acm_cfg.callback_rx = &tinyusb_cdc_rx_callback; // the first way to register a callback
    acm_cfg.callback_rx_wanted_char = NULL;
    acm_cfg.callback_line_state_changed = NULL;
    acm_cfg.callback_line_coding_changed = NULL;
    ESP_ERROR_CHECK(tusb_cdc_acm_init(&acm_cfg));
    /* the second way to register a callback */
    ESP_ERROR_CHECK(tinyusb_cdcacm_register_callback(
                        TINYUSB_CDC_ACM_0,
                        CDC_EVENT_LINE_STATE_CHANGED,
                        &tinyusb_cdc_line_state_changed_callback));

#if (CONFIG_TINYUSB_CDC_COUNT > 1)
    acm_cfg.cdc_port = TINYUSB_CDC_ACM_1;
    ESP_ERROR_CHECK(tusb_cdc_acm_init(&acm_cfg));
    ESP_ERROR_CHECK(tinyusb_cdcacm_register_callback(
                        TINYUSB_CDC_ACM_1,
                        CDC_EVENT_LINE_STATE_CHANGED,
                        &tinyusb_cdc_line_state_changed_callback));
#endif

    ESP_LOGI(TAG, "USB initialization DONE");
}

windows10、11ではそのままつながる

UMによるとTinyUSBはUSB-CDC-ACMクラスに準拠しています。Windows10、11では外部ドライバーのインストール無しに使えます。

ローカルエコーONにして”abcdefg”と打った画面です。コードに+1して帰ってきます。

Windows8、8.1マシンは持っていないので未確認ですが、「8以降」と記載されていたのでおそらく大丈夫。できない場合は下記の方法でインストールします。

Windows7ではドライバインストール必要

ESP-IDFのUMに従って汎用CDCドライバをインストールします

Zadig.exeで汎用CDCドライバインストール

zadigはJTAGデバッガでも使う汎用USBドライバです。今回DLしたのは「zadig-2.7.exe」。USB-Serial(CDC)を選択してインストールします。

2022/11/28追加 sdkconfig.xxxの変更

sdkconfig.defaultに記述する

ESP-IDF V5以降では、sdkconfig.xxxを変更しても元に戻ってしまうようです。

今回のTiny-USBの追加作業では、sdkconfig.defaultに記述することで変更できました。

CONFIG_TINYUSB=y
CONFIG_TINYUSB_CDC_ENABLED=y

ESP32-S3-1-N16R8を試してみる-GPIO動作

カテゴリー: ESP32

ESP32-S3モジュールは相当魅力的ですが、情報量が少ないので、少しづつ自分なりに確認していきます。開発環境はVScode+PlatformIO ESP-IDF版です。

今回は、秋月販売のモジュールESP32-S3-1-N16R8を使う確認です。販売されているESP32-S3-DevkitC-1とはモジュールの種類が違うので乗せ換えて動かしてみます。

N16R8を使いたい。

高性能マイコンとして使ってみたいだけなので、ESP32-S3-DevkitCで動作確認して、N16R8でも同じに動作させたいのです。

ESP32-S3-DevkitCはD3N8、モジュール品はN16R8、PSRAMでGPIO33~37使う。

DevkitC搭載のS3の彫刻は「D3N8」ですが、データシートにD3N8という型番はないのでおそらく「ESP32-S3-WROOM-1-N8」と推測します。HPに「N8」と書いてありました(^^)。

N8とN16R8との(私が)気になる違いは、PSRAMがQuad→OctalSPIです。接続ピンが増えるらしくデータシートによるとGPIO33~37はPSRAM用となりGPIOとしての使用は非推奨となっています。いま検討している事案では、このポートが汎用で使用可否が懸案事項なのです。まずはデフォルト状態でGPIO33~37使えるかどうか確認です。

DevkitCにN16R8を載せかえる

DevkitCとしてブレッドボードで確認したいので乗せ換えます。

外したN8デバイスには25Q64ES1Gが使われていた。

外してみたら8ピンQuad64MbitSPIFlashが搭載されてましたがSPIは一組です。N16R8ではこれがOctalになるそうで、SPI組が増えてGPIO33~37にOctalSPI信号が割り当てられると想像つきます。N16R8を分解して接続を見る必要ありますが、PSRAMを使用しない設定にできればそのままでIOポートとして使えると推定します。まずはデフォルトでなにも設定しないでポートとしてアクセスしてみます。

PlatformIOで確認。とりあえずGPIO36,37は汎用IOで使えた。

確認プログラム抜粋です(PlatformIOのBlink Exampleを流用)

#define BLINK_GPIO (gpio_num_t)45
#define SW6			(gpio_num_t)37
	・
	・
static void blink_led(int s_led_state) {
    gpio_set_level(BLINK_GPIO, s_led_state);
}
	・
	・
static void configure_led(void)
{
    gpio_reset_pin(BLINK_GPIO);
    gpio_set_direction(BLINK_GPIO, GPIO_MODE_OUTPUT);
}

void ledTestTask(void *pvParameters) {
    for(;;) {
		if(gpio_get_level(SW6)==0) s_led_state=1; else s_led_state=0;
        blink_led(s_led_state);
        vTaskDelay(50);
    }
}

extern "C" void app_main() {
    gpio_reset_pin(SW6); gpio_set_direction(SW6, GPIO_MODE_INPUT);
    gpio_set_pull_mode(SW6,GPIO_PULLUP_ONLY);
    configure_led();
    xTaskCreate(ledTestTask,"ledtest", 2048, NULL, 5, NULL);
    while (1) {
		vTaskDelay(100);
	}
}

というわけで、とりあえずデフォルトでGPIO36をLED出力、GPIO37をスイッチ入力としてみたところ、無事に動作しました。めでたしめでたし。信号波形もきれいで衝突・干渉等はありません。

PSRAMを使わない・・という設定をきちんと確認する必要はあると思います。

sdkconfigに「PSRAM」のキーワードがなかったので、そう簡単には見つかりませんが、これから関連項目を探すことにします。

次はJTAG用USBを使った汎用CDCの確認です

これができれば、単なる高性能マイコンボードとして使える用途が増えそうです。

ESP32 ESP-IDF & PlatformIO高速化

カテゴリー: ESP32

PCをグレードアップしたおかげで、開発環境も快適度が向上してますが、ESP32系のコンパイル、アップロードはまだまだ時間がかかります。(というより、どんなに速くなってもそれに慣れると満足しなくなる、という性)。

RamDiskの使用やアップロード速度Upを試した覚書です。

2022/6/1更新

 内容はESP32-WROOM-32Eについでです。

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ESP-IDFでI2C接続EEPROMにアクセス。C++追加

カテゴリー: ESP32

ターゲットESP32をESP-IDFで使う覚書です。I2Cマスターなので目新しいことは無いですが、dsPICやSTM32と混在して開発していると混乱しやすいので、ESP32用のひな形としてコーディングしました。

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VScode+PlatformIOでポートを固定する

カテゴリー: ESP32

PlatformIOで開発で、シリアルポートが複数ある場合はアップロードのポートが自動で割り振られてしまい、またシリアルモニターを毎回選択しなければならない、というのを避ける方法の覚書。ESP32以外のターゲットはわからないので限定です。

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ESP32-WROOM用書き込み器をオートに改造

カテゴリー: ESP32

ESP32-WROOM-32はDevkitCで使う分にはオート書き込みができて快適ですが、単体や3rdパーティのブレークアウトボードではIO0をLOWにしたままENをチョン、とやらなければロードできないのが多くて面倒です。

そこで秋月のUSBシリアル変換を改造し、オート書き込みができるようにしました。

とりあえずの対象は同じく秋月のAE-ESP32-WROOM-32E-MINIです。

※注)AE-ESP32-WROOM-32E-MINI単体で書き込むときはボードの改造も必要。

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