チューブマーキングを検討してみる

カテゴリー: 業務関連  タグ:

計装作業では配線名のマーキング作業は結構時間を取られる作業です。

専用のチューブマーカーを所有してない場合、英数字の連番や定型文を印字してあるチューブやシールを手配する手段がありますが、ユニークな印字は100個単位販売とかで、数個しか使わない余剰チューブが増えていくばかりです。

また、現場作業で新しいナンバーが必要なことも多く、サインペンで対処することも少なくありませんが、サインペンは複数回指で触れると消えてしまう経験があります。

そこで、消えにくいペンや、そのほかの方式を試してみました。AWG#18~22程度の電線に1.25サイズの圧着端子に取り付けることを想定しています。

こすっても消えにくいペンを探す

市販のサインペンでビニールチューブへの適性を調べてみる

汎用マーキングチューブは軟質塩化ビニール製が多いです。プラスチック適合ペンでも、軟質塩化ビニールにはベタついたりして手ごわいです。過去にマーカーで書いてみて滲んだりかすれたりしたので、いろいろなペンを試してみました。いままで考えたこともなかった水性ペンも場合によって有効かもしれません。

  • 「uni PIN」0.1mm
  • 「サクラ MICROPERM」0.1mm
  • 「uni パワフルネーム」
  • 「ZEBURA おなまえマッキー」極細0.5mm
  • 「ZEBURA マッキーケア」超極細0.3mm
  • 「uni POSCA」 0.7mm 水性
  • 「uni PROCKEY」0.4mm 水性

水性はビニールに書くと乾くのに時間がかかります。特にPOSCAは1分は触らないほうがよいでしょう。また、指で複数回触ったような油分を帯びた表面でははじきやすいようです。

チューブは一般的なビニール製「VTUB3.5」です

クリックで拡大

指でこすってみる

油性ペンは数秒で乾きますが、乾きにくい水性ペンと同条件にするため、数分乾かした後、後半の「1234」の部分を指で強くこすってみました。

クリックで拡大

鮮明度・指こすり耐性は「おなまえマッキー」、「POSCA」も健闘

鮮明度・摩擦耐性ともNo1は「おなまえマッキー」でした。「マッキーケア」も検討してますが少し薄いです。

「POSCA」は指でこすったぐらいではまず剥がれませんが、水性の弱点でしょうか?ビニールでははじき易いのと爪で削ぐと崩れます。また上で書いたように一分近く乾燥時間がかかるので、取り扱いではちょっと不利です。

書きやすさ・鮮明度では「PIN」が秀逸ですが、こすると少し滲みます

個人的には「おなまえマッキー」と「POSCA」、あとは「PIN」

あくまでも個人的ですが、現場でビニールチューブにマーキングするのに「おなまえマッキー」と、その他で克明に書くのに「POSCA」を胸ポケットに入れておけば良いかな、と思います。その他、「PIN」はビニール以外では実に書きやすいので必須です。あくまで個人意見です。

チューブ材質をポリオレフィンにする

ポリオレフィンチューブ。すこし白く多少固い

ポリオレフィンはサインペンに対して良好。サイズに少々難あり。

ポリオレフィンチューブも比較的安価です。柔軟性に欠けるのと、1.25サイズの圧着端子に適する3.5mm付近のサイズがないので、躊躇してましたが、本当に適合しないのか試してみました。

上記ペンは全部試してませんが、私が常用している「PIN」では実によく書けます。ビニールに比べてチューブが固いので円筒に書く難しさは多少あります。

少々固いが1.25サイズの圧着端子に3mmチューブで装着できる

ポリオレフィンチューブETC-3.0に「PIN」で書き込み1.25サイズの圧着端子に挿入してみました。少し固いですが問題なく挿入でき、鮮明度も良好です。こすってもビニールのように滲むことはなく鮮明です。チューブが固めなので書くのにコツがいりますが、実用度はかなりあります。

テプラPROで熱収縮チューブを試す

テプラPROでは熱収縮チューブがあり使ってます。φ5サイズで収縮時φ2.8mmMINです。よく使うAWG#20~22の線材に対してはブカブカなので太い線材にしか装着できません。

そこで、圧着端子の圧着部に取付けてみました。そのままで熱を印加すると圧着端子部がやや膨れますが印字は鮮明で良好です。さらに手間をかけインナーにビニールチューブを入れると見た目は、チューブマーカー仕上げに近いです。

総評

1.25サイズの圧着端子に取り付けるマーカーの独断と偏見の順位です

手書きが許容されるなら、ポリオレフィンチューブと「PIN」の組み合わせがダントツで、圧倒的に安心感あります。

つぎに繰り返し摩耗には少し弱いですがビニールチューブとおなまえマッキーの組み合わせがスピーディーです。この二本立てで行けそうです。専門で計装するわけでない私にとっては最良の手段です。

体裁をとるなら、TEPRApro+専用熱収縮チューブφ5です。印字長さも自由ですしなんでも印字できます。熱収縮の手間が必要ですが、チューブマーカーを使うのと同等な手間で可能と思われます。

さらにインナーにビニールチューブを入れれば、完全な見た目になります。

[2021/8/13追記]ペンでビニールに書いた文字その後

ビニールチューブに書いた文字の一週間後の様子です

上段左から、「マッキーケア」「CRICKART」「パワフルネーム」「おなまえマッキー」、下段は「POSCA」「PIN」。CRICKARTは初出しですが見事に滲んでかつ黒→青に変色しました。

ビニールチューブに合うペンのNo.1評は「おなまえマッキー」で変わりませんが、「マッキーケア」も短期耐性では良好です。

お気軽にコメントをどうぞ。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)